花信風 季節からのたより

季節と花を追いかけて。花の名前や由来、伝説・・・・を集めています。 過去記事は、加筆などして日付を移動させたりしています。


ロウバイ(臘梅)
別名:唐梅(からうめ)・南京梅(なんきんうめ)


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ロウバイ科   落葉低木 樹高:2~5m  花期:1~3月 実期:春 原産:中国
    
花言葉  先導・先見・慈愛
誕生花   
由来    蝋(ろう)細工ように艶があるから、蝋月(陰暦の12月)に咲くから蝋梅といわれた。


葉に先駆けて花が咲く。
半透明の黄色の花が数個ずつ下向きに咲いている。
花弁がロウのように美しい光沢をもち日差しを浴びて光る。
とてもよい香りに気づかされることも多い。

17世紀頃に渡来。
「梅」の字を当てるが梅の種類ではない。

「臘梅」は内側が赤い。

roubai-3 満月臘梅roubai臘梅



*「素心臘梅(そしんろうばい)」 花の外側だけでなく内側も黄色い。

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 しらじらと障子を透かす冬の日や室に人なく臘梅の花  窪田空穂(くぼたうつぼ)

季語    冬

  臘梅のかおりやひとの 家につかれ  橋本多佳子
  臘梅や痩文字一生つらぬくか      寺田京子
  臘梅の香が身に添いて年守る      三宅一鳴

  


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素心蝋梅



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二十四節気 小寒(しょうかん)

太陽黄経285° 1月6日ころ



東京・上野 東照宮

冬至より一陽起こるが ますます冷える
この日から「寒(かん)の入り」。節分までのおよそ30日間を寒(かん)の内という。
寒さが厳しくなり、北海道・オホーツク海沿岸などでは氷結する。

寒月の光をちらす千鳥かな 夏目成美

芹摘みし昔の水にそでぬれて 乾く隙なき身をいかにせむ 慈円


七草の一つ、芹が生えるころ。

寒に入って4日目を寒四郎(勘四郎)、9日目を寒九(かんく)という。
寒九の雨(かんくのあめ)この日に雨が降ると豊作のしるし。
晴天が続き畑が乾ききってしまう太平洋側では、冬野菜の慈雨となります。




寒の内に行われる風習や行事に寒稽古(寒稽古) 寒中水泳 寒まいり、寒灸などがある。
北陸地方では寒固めといって小豆餅を食べる風習がある。


 猪鍋 両国・ももんじや より


栄養のあるものを食べて寒さを乗りきりましょう
獣を食べることを「薬食い」と称して、鹿、猪、寒雀、寒ブリ、寒ブナ、寒カレイなどを食べた。
温かい蕎麦(そば)は江戸の冬の名物でした。


小寒のころの花
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ロウバイ

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侘助椿「太郎冠者」


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早梅 「初狩り」


冬の季語 

小寒や枯れ草に舞ううすほこり 長谷川春草


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にほんずいせん(日本水仙)
別名:雪中花、房咲き水仙 英名:narcissus
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学名: Narcissus tazetta var. chinensis  
ヒガンバナ科  多年草  花期:12~2月  原産:地中海沿岸

花言葉  愛にこたえて うぬぼれ
誕生花  1月2日 
由来    学名のナルキッソスはギリシャ神話による。 
ただ水仙というと、日本水仙をさすことが多い。
室町時代の書物には、和名は雪中華、漢名は水仙とあるそうです。
なぜ、水仙に変わったのでしょう、
水中に散った美青年ナルシスの化身という、ギリシャ神話が伝わった影響のようです。

細長く厚い葉。
花茎を伸ばし 白と黄の花径3㎝ほどの花を複数個つける。
良い香がある。
三倍体なので実を結ばない。
*三倍体:基本数の3倍の染色体をもつ倍数体。有性生殖では系統を維持できない。

中国から遣唐使が持ち帰った説。
球根が海岸に漂着した説とある。 

「すいせん」は一般には「日本水仙」を指し、中国を経て渡来した。
昭和33年NHKと植物友の会で花暦が作られ、椿と共に2月の花とされた。
・福井県の花

ラッパスイセン 副花冠が花びらの長さと同じ以上
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大杯スイセン 副花冠が花びらの3分の1以上の長さ。
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小杯スイセン 副花冠が花びらの3分の1以下の長さ
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寒さや雪に耐えて作姿には健気で、りりしい女性を連想させ、清楚な花として愛される

樋口一葉「たけくらべ」ある朝、家の格子に水仙が差し込んであるのを、主人公美登利は一輪挿しに飾ります。
そして、その翌日信如は僧となって仏教学校へいったと人伝に聞いたのでした。

水仙は白妙ごろもよそほへど 恋人持たず香のみを焚く 与謝野晶子

季語    冬
      初雪や水仙の葉のたわむまで 芭蕉
      水仙や寒き都のここかしこ    蕪村
      水仙は女の花よ束ね挿す    河野緋佐子

      水仙や赤児の声に耳すまし   小夜 


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【伝説1】
越前海岸近くに仲の良い兄弟が住んでいました。
ある日、木曽谷を出発した木曽義仲へ池追討軍がこの国を通りかかった。
兄はそれを知ると「自分もあの追討軍に加わって、ひと働きして名をあげたいと思う」といって、弟に見送られて家を出て行った。
 年が開けしばらくすると、兄は吹雪の中を得るものもなく負傷して戻ってきた。
出迎えたのは美しい娘と幸せそうな笑顔の弟。行き倒れていた娘を助けたのだった。娘は弟に仕え、戦いで傷ついた兄をいたわった。
 まもなく娘を間にして兄弟が争いを始めた。娘は悩み、切り立った断崖から泡立つ海へ身を投げてしまった。
その春、浜辺に香り高い清楚な花が流れ着いた。人々は身を投げた娘の化身に違いないといって、この花を植えて大切に育てた。


  【伝説2】
美少年ナルキッソスは、池の水面に映った自分の姿を美しいニンフと思い込み、かなわぬ恋に憔悴し死んでしまいます。その少年が花になった。(ギリシャ神話)
この伝説の水仙は黄色いラッパスイセンですが。口紅スイセン説

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