源氏物語の花 葛(くず) 二
山風に堪へぬ木々の梢も、峰の葛葉も、
心あわたたしう争ひ散る紛れに、尊き読経の声かすかに、
念仏などの声ばかりして、人のけはひいと少なう、
(夕霧 第四章第三段)
強い風が吹きつけ、散るまいとするクズの葉も、先を争って散り乱れているところに、尊い読経の声がかすかに、念仏などの声ばかりして、人の気配がほとんどしない・・・
夕霧は柏木の未亡人(落葉の宮)に恋してしまう。
落葉の宮を訪ねる小野の晩秋の景色に趣を感じる夕霧。
あさきゆめみし10巻
クズは風に吹かれ翻ると、葉の裏がひらひら見えるため、
「裏見」から「恨み」と掛けて話かに登場するようになります。
この「夕霧」にも、そういう意味があると思われます。
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