くず ( 葛)秋の七草
別名:裏見草・夏葛・葛藤根・久須架豆良
英名:
・学名:Pueraria lobata
・マメ科 蔓性多年草 ・花期: 7~8月 ・原産:日本、中国
花言葉 治癒
誕生花
由 来 くずかずら→くずになった。かずらは蔓性の意。
吉野郡国栖(くず)村で、根から採った葛粉を地名にあやかって「吉野葛」の名で売り出して有名になった。
葉の裏は白いので「裏見葛」。転じて「恨み草」
大きな葉は3枚複葉 裏が白い。夜はたたんで眠る。
初夏の頃玉状の新葉を伸ばす。
夏の終わりごろ 葉の間から赤紫色の10cmほどの花柄を出し蝶形の花をつける。
葉に隠れるように咲く花を「裏見の花」怨みに通じるといわれる。
ほんのり甘い香がする。
人里に近くに茂る。
生育旺盛で谷や崖を覆い尽くす。一年で1400m伸びた記録があるという。
黄河流域の緑化に葛が植えられているという。アメリカではカバープランツとして利用されている。
根は食用となり、葛湯、葛餅、葛まんじゅう。
【薬用】根を干した「葛根湯」は解熱剤。
若菜や花は飢饉の際の救荒食糧であった。
古代には葛の皮の繊維を織って衣料にした。
蔓は縄やカゴの材料にした。
・万葉集には18首。花を詠んだのは秋の七草にある1首のみ。
ハギの花 尾花葛花ナデシコの花 女郎花また藤袴朝貌の花
をみなえし生うる沢辺の真田葛(まくず)原 何時かも繰りて我が衣に着む
読み人知らず 巻7 1346
真は美しさを強調。茎の繊維から布を下り衣服にしていた。
我がやどの葛葉日に異(け)に色づきぬ 来まさぬ君は何心そも
巻10 2295
・秋風のふきうらがえす くずの葉の うらみても猶うらめしき哉
・葛の風に吹きかへされ裏のいと白く身揺るぞをかし 枕草子
葛の花踏みしだかれて色あたらし。この山道を行きし人あり 折口信夫
葛の花ここにも咲て人里のものの恋しき心おこらず 斉藤茂吉
・恋しくば、尋ね来て見よ和泉なる、信太の森のうらみ葛の葉・・・浄瑠璃「葛の葉」
・日本書紀 神武天皇が葛の繊維で土蜘蛛を退治した話がある。
季 語
【春】葛若葉
葛の若葉吹き切って行く嵐かな 暁台
【夏】玉巻く葛、葛切、葛餅など
葛切りの井のすずしさを掬うごとし 大野林火
【秋】葛、葛の葉、葛根掘る
葛の葉の吹きしずまりて葛の花 正岡子規
天狗風残らず葛の裏葉哉 蕪村
【冬】葛湯、枯れる葛
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