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源氏物語の花 薄(壱)

全裁(ぜんさい)どもなど、小さき木どもなりしも、
いとしげに陰となりひとむら薄も、
心にまかせて乱れたりける、つくろはせ給ふ。
遣水の水草もかき改めて、いと心ゆきたるけしきなり。
 

(第33帖 藤裏葉 第三章 第二段)

前栽なども、小さい木であったのが、
たいそう大きな木蔭を作り、一叢薄も
のび放題になっていたのを、手入れさせなさる。
遣水の水草も取り払って、とても気持ちのいい景色となった。


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