花信風 季節からのたより

季節と花を追いかけて。花の名前や由来、伝説・・・・を集めています。 過去記事は、加筆などして日付を移動させたりしています。

カテゴリ: 七草

新・秋の七草

昭和10年  昭和55年

昭和10年、東京日日新聞社が新・秋の七草を募集し、
7人の名家が、それぞれ秋の花を1つづつ持ち寄って7種とした。

これについて佐藤春夫は「秋花七種」というエッセイの中で。
新七草を選んだ人を揚げ、感想を書いている。

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菊池 寛(作家)・コスモス

佐藤春夫はコスモスを支持していた。


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与謝野晶子(作家)・白粉花(おしろいばな)

佐藤春夫「可憐ながらに味の複雑な花、
与謝野さんが気にいるのもわかるような気がする。」

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 永井荷風(作家)・秋海棠(しゅうかいどう)

佐藤春夫「媚態の卑俗ならぬものが選に洩れなかったものうれしい。」




  長谷川時雨(作家)・葉鶏頭(はけいとう)

佐藤春夫「女史のこれを捨てぬも宜(むべ)なるを覚える」
 

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牧野富太郎(植物学者)・菊(きく)   
佐藤春夫「その道の学者だけに花に対する趣味までが客観的になっていると考えた。」


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斉藤茂吉(歌人)・彼岸花(ひがんばな)


佐藤春夫はマンジュシャゲも落として欲しくないように考えていた。

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高浜虚子(俳人)・アカノマンマ(犬蓼 いぬたで)


佐藤春夫「さすがに俳人の自然に対する眼界の広いのにますます満悦である」

7種全てが外来種ですが、日本に根付いていますよね。

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 昭和55年、植物学者の本田正次、篠遠喜人らによって選ばれた 七草

       見渡せば 今も秋野に乱れ咲く 花かぞおれば七草の花

  ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花

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ほととぎす



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のぎく


カルカヤ


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ひがんばな


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まつむしそう


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われもこう



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りんどう

 

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すすき(芒・薄)
別名 カヤ、尾花、乱れ草、振袖草、露見草、旗薄など


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学名:Miscanthus sinensis                  秋の七草   
イネ科 多年草  花期:8~9月  原産:アジア東部


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          2017.10.30 日差しにキラキラ光っています。


花言葉  勢力
誕生花  
由来    すくすく育つ木等の説。
       尾花 ススキの花穂が獣の尾に似ているところかついた名。
       振袖草 風に揺れるススキは、振袖の乙女が招いているよう?


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すすきの葉は幅広く長大。縁は硬くざらついている。
日当たりの良い山野、丘陵、鉄道沿線など。

長い茎を(カヤともいう)刈り取って屋根をふいたり、ぞうり、すだれ、ほうきに用いた。

家畜の敷き草、飼料、燃料、花材、綿の代用など。人の生活に役に立ってきた。

野原や山の日当たりのよいところに群落を作り、穂波が銀色に輝いて美しい。
春は里から、秋は山からやってくる。

風になびく様子は頭をなでられているようです。
ススキの穂を見ると、秋の来たことを実感します

お月見にはススキを月神への依代として一本立てるのが正式。
この穂で作ったミミズクは東京雑司ヶ谷の鬼子母神のお土産として有名。

上代(奈良以前)は、ススキやアシなどを束ねて サヤサヤと鳴らして楽器のように使った。

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          2017.10.30 強風に翻る


万葉集には17首。古名:須々伎、尾花。
 
人皆は萩を秋という吾は 尾花が末し秋とは言わむ
  読み人知らず 第10巻2110

道の辺の尾花がしたの思い草 今さらに なぞ物か念はむ
            巻10 2270

はだすすき尾花逆葺き黒木もち 造れる室(むろ)は万代(よろづよ)までに
     太上天皇 巻8 1637  

初尾花花に見むとし天の川隔(へな)りけらし年の緒長く
            巻20 4308
(初尾花=新妻・許嫁)花を見たいのに 天の川が隔てているらしい、長い間

・秋の野おしなべたるおかしさは薄にこそあれ 枕草子


季語    秋
          幽霊の正体みたり枯れ尾花
          山は暮れて 野は黄昏の薄かな    蕪村
          折りとりてはらりとおもきすすきかな  飯田蛇笏
          枯れ枯れて光を放つ尾花かな      几 董

【伝説】
 光と影、善と悪、神と悪魔、天の神に反逆するものとして地上に送られた天の探女(さぐめ)は邪心をもつ女神で、俗にアマンジャクとも呼ばれる。探女は瓜子姫の幸運をうらやんで取って代わろうとし、もうすこしのところで露顕した。その後、人々は探女を大和の国宇陀(うだ)の野末に引きずっていき、手足をばらばらに引き裂いて捨てた。探女は塵になって飛び散り、世の中は静かになったが、このとき流れた血で一面に茂ったススキの根元は今でも色あせることがない。 (日本)

高野山 「刈萱童」の伝説。
 出家した茅葺道心を石堂丸は母と訪ねるが、女人禁制のため一人で登る。出会った僧と父子の名乗りが出来ぬまま、共に茅葺童で仏教修行に明け暮れた。


山手線の電窓からみえたススキの群生は東京に秋を知らせる風景でした
今はお洒落な街になりました。 また、ある日、JR山手線のある駅の改札近くで、ススキが大きなバケツに入れられていまいた。『自由にお持ちください』と張り紙がされていたので喜んでもらってかえりました。
 その駅はホームが増設され、ススキの生える場所はなくなりました。

シマススキ タカノハススキ イトススキ ハチジョウススキ

似ている: おぎ(荻)
ススキに寄生する花 ナンバンキセル

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スライドショー

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七草(ななくさ)

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芹、薺、御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔

この七草を積んでくることが”若菜摘み”。

秋の七草が観賞用なのに対して、春の七草は食用です。




古では、初の子日の行事だったものが、
中国から入ってきた「人日の節句」と結びついて
1月7日に行われるようになったと云われています。

旧暦の1月7日頃には これらの若い芽が生えていたのでしょう。

野菜不足を補いたい気持ちもあったのでしょうかね。
無病息災を願ったそうです。


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七草粥を食べるようになったのは室町時代以降で、
それまでは吸い物に入れていたそうです。

七草の種類もその地方によって異なるそうです。

今の私たちには、年末年始の暴飲暴食で疲れた胃に、
ちょうどいい食事となっています。



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くず ( 秋の七草

別名:裏見草・夏葛・葛藤根・久須架豆良   
英名:


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・学名:Pueraria lobata
・マメ科  蔓性多年草   ・花期: 7~8月  ・原産:日本、中国


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花言葉  治癒
誕生花  
由 来 くずかずら→くずになった。かずらは蔓性の意。
吉野郡国栖(くず)村で、根から採った葛粉を地名にあやかって「吉野葛」の名で売り出して有名になった。
葉の裏は白いので「裏見葛」。転じて「恨み草」

大きな葉は3枚複葉 裏が白い。夜はたたんで眠る。
初夏の頃玉状の新葉を伸ばす。
夏の終わりごろ 葉の間から赤紫色の10cmほどの花柄を出し蝶形の花をつける。
葉に隠れるように咲く花を「裏見の花」怨みに通じるといわれる。
ほんのり甘い香がする。
人里に近くに茂る。

生育旺盛で谷や崖を覆い尽くす。一年で1400m伸びた記録があるという。
黄河流域の緑化に葛が植えられているという。アメリカではカバープランツとして利用されている。

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根は食用となり、葛湯、葛餅、葛まんじゅう。

【薬用】根を干した「葛根湯」は解熱剤。
若菜や花は飢饉の際の救荒食糧であった。

古代には葛の皮の繊維を織って衣料にした。
蔓は縄やカゴの材料にした。

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・万葉集には18首。花を詠んだのは秋の七草にある1首のみ。
 ハギの花 尾花葛花ナデシコの花 女郎花また藤袴朝貌の花  


 をみなえし生うる沢辺の真田葛(まくず)原 何時かも繰りて我が衣に着む
    読み人知らず 巻7 1346
 真は美しさを強調。茎の繊維から布を下り衣服にしていた。 

 我がやどの葛葉日に異(け)に色づきぬ 来まさぬ君は何心そも
   巻10 2295

・秋風のふきうらがえす くずの葉の うらみても猶うらめしき哉


・葛の風に吹きかへされ裏のいと白く身揺るぞをかし   枕草子

 葛の花踏みしだかれて色あたらし。この山道を行きし人あり   折口信夫
 葛の花ここにも咲て人里のものの恋しき心おこらず        斉藤茂吉


・恋しくば、尋ね来て見よ和泉なる、信太の森のうらみ葛の葉・・・浄瑠璃「葛の葉」

・日本書紀 神武天皇が葛の繊維で土蜘蛛を退治した話がある。



季 語
 
【春】葛若葉 
          葛の若葉吹き切って行く嵐かな  暁台


【夏】玉巻く葛、葛切、葛餅など 
          葛切りの井のすずしさを掬うごとし 大野林火

【秋】葛、葛の葉、葛根掘る
          葛の葉の吹きしずまりて葛の花  正岡子規
          天狗風残らず葛の裏葉哉     蕪村 

【冬】葛湯、枯れる葛
          

      
      


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1月の華

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2017年も 向島百花園の七草籠を見に行きました。


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年末に販売された 献上七草籠

籠が美しいです。

みるだけで 清々しい気分になります。



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皇室に献上されています。



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青々とした若菜

食べるのがもったいない~

それじゃダメじゃん


茶亭では、七草粥もいただけます。



我が家は フリーズドライの七草での七草粥

七草ナズナ 唐土の鳥が・・・トントコトントコ

と言いながら混ぜました。





【新年の季語】 七草粥 七日粥(なのかがゆ) 薺粥(なずながゆ)
 

        
          七草の粥のあをみやいさぎよき  松瀬青々
 
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八月の華

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ふじばかま(藤袴)の咲く頃

8月のお盆の頃 藤袴が咲き始めました。

華奢な姿と良い香りが好まれます。

万葉の頃は この花を夫を待つ枕元に飾ったそうです。

うん そういう香りかもしれません 

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【季語】 秋
          想ひごとふと声に出つ藤袴  永方裕子

 
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七月の華

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ききょう(桔梗)


天神様のお庭に咲く 桔梗

桔梗の背景の緑は枝垂れ梅です。

手入れの行き届いたお庭は いつきても気持ちがいいです




 
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七草籠


春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)
古来より災いを去り、富貴を得られるといわれ、
正月7日に七草粥として食されてきました。
向島百花園では毎年この春の七草を籠に仕立てて「七草籠」を作り、
宮中にも献上しています。 (向島百花園HPより)

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季語    七草 新年



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こおにたびらこ(小鬼田平子) 春の七草

別名:たびらこ ほとけのざ(春の七草)

ほとけのざ (七草)
ほとけのざ (七草) posted by (C)花信風

・学名:Lapsana apogonoides
・キク科   越年草  草丈:10~40cm  ・花期: 3~9月  ・原産:
    

名の由来 田平子は田の畦に生え、地に広がるの葉を仏の座にみることによる。
オニタビラコより小さいということでコオニタビラコと呼び区別している。

 細い茎を伸ばし キクに似た小さい花を咲かせる。


ほとけのざ (七草)
ほとけのざ (七草) posted by (C)花信風
食べられる!春の七草
早春(1、2月)の若い葉は七草粥にする。

中国の『本草網目』、黄爪菜(たびらこ)には「日本では七草のホトケノザである。4月から5月に黄色い花が咲く。民族は飯に加えて蒸して食す。またアエモノにする。」とあります。
中国では今も食べられているという。

似ている花: オニタビラコ

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だいこん(大根) 
春の七草

別名:おおね すずしろ(蘿蔔)



学名:Raphanus sativus
アブラナ科    草丈:10~40cm  花期:4~5月  原産:地中海沿岸・中近東

由来 古名の「おおね」大きい根をもったものという意味。漢音でダイコンとよむようになった。
   スズシロのスズは涼しいの意で、清き白い根説。
   菘代、スズナに代わるもの説。(大言海)
   蘿蔔は漢名。


葉の間から薹がたち茎が分枝して、紫がかった十字形の4弁の花が咲く。
1cmくらいの小さな花。

弥生時代に渡来したといわれている。

 春の七草  スズシロは大根のこと。若い葉を七草粥にする。
ジアスターゼ酵素の働きで米食の消化剤となる。

 古くはオオネと呼ばれて、「大根」をダイコンを音読みするようになったそうです。
タクアンはダイコンを漬けたものですが、臨済宗の僧・沢庵和尚が始めて作ったのでこの名がついたといわれています。品川・東海寺

ピラミッドの碑文には、労働者に二十日大根を食べたという記録があるそうです。

練馬大根は、5代将軍綱吉が尾張から宮重大根を取り寄せ、江戸練馬村の旧家大木金兵衛に命じて栽培させたことにはじまる。一説には練馬の百姓又六が作り始めたとも伝えられている。
 又六の子孫で鹿島安太朗は練馬大根の品種改良に努め、三浦大根など土地に適した新種を作り出しました。

品種は100種以上 桜島大根は径30cm、重さ37kg。二十日大根は重さ10g。
守口大根は長さ2m。

つぎねふ山代の女の木鍬持ち 打ちし大根 根白の白腕枕かずけばこそ 知らぬともいはめ
       古事記 歌謡番号61  大根のように白くてふくよかな腕を愛でています。

季語:【冬】大根、大根引き、風呂吹 大根汁 煮大根
    【春】春大根、大根の花、 【夏】夏大根 【秋】大根蒔く、貝割菜(かいわりな)

 大根引き大根で道を教えけり   小林一茶
 花大根黒猫鈴をもてあそぶ    川端茅舎
 大根の花が呼び込む夕明かり  中西舗土

大根のように白いあなたの腕を枕に・・・褒め言葉 
大根役者 根が白いことを素人にかけている。いくら食べても腹に当たらぬことを、当たらない役者をさしていう。


似ている花 ムラサキハナナ(紫花菜)(ショカツサイ(諸葛菜))

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生協で届いたダイコンの葉の中心に、菜の花のような、つぼみがついていました。
花になるのか、葉になるのか・・・
葉の付け根から切り、ジャムのビンに少し水を入れて育ててみました。

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