花信風 季節からのたより

季節と花を追いかけて。花の名前や由来、伝説・・・・を集めています。 過去記事は、加筆などして日付を移動させたりしています。

カテゴリ:花信風 > すすき

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源氏物語の花 薄(すすき)
(宿木 第七章第六段 匂宮、中君の前で琵琶を弾く)
枯れ枯れなる前栽の中に、尾花の、
物より殊に、手をさし出で招くがをかしく見ゆるに、
まだ穂に出でさしたるも、 露を貫きとむる玉の緒、
はかなげにうち靡きたるなど、例の事なれど、
夕風、なほ、あはれなりかし。


「 穂に出でぬ物思ふらし篠すすき 招く袂の露しげくして」
「 秋果つる野辺のけしきも篠すすきほのめく風につけてこそ知れ」




枯れ枯れになった植え込みの中に、尾花が、
他の草より高く手を出して招いているのが美しく見えるので、
まだ穂が出かかったすすきが露を貫いて止める玉の緒が、
頼りなさげに靡いているのは、普通のことだけど、夕風がしみじみと感じる。

「密かな恋をしているようだね 薄のように招く袂が涙で濡れている」
「秋が終わることは 風に揺れる薄でわかります。   
        わたしに飽きてしまったことは あなたの素振りでわかります」


画像はWikipedia

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源氏物語の花 薄(すすき)

前栽(せむざい)に心入れて、つくろひ給ひしも、
心にまかせて繁りあひ、ひとむら薄も、たのもしげに広ごりて、
虫の音添はん秋、おもひやらるゝ・・・


(柏木 第五章第五段)

前栽を熱心に手入れなさっていたのも、
かって放題に茂りあって、一むらの薄も思う存分に延び広がって、
虫の音が加わる秋が想像される・・・

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源氏物語の花 薄(壱)

全裁(ぜんさい)どもなど、小さき木どもなりしも、
いとしげに陰となりひとむら薄も、
心にまかせて乱れたりける、つくろはせ給ふ。
遣水の水草もかき改めて、いと心ゆきたるけしきなり。
 

(第33帖 藤裏葉 第三章 第二段)

前栽なども、小さい木であったのが、
たいそう大きな木蔭を作り、一叢薄も
のび放題になっていたのを、手入れさせなさる。
遣水の水草も取り払って、とても気持ちのいい景色となった。


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ススキ(茅)と日本書紀



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大八州島国(おおやしまの国)が生まれた後、
海の神、川の神、山の神、木の神が生まれ、
そのあとに草祖(かやそ)の草野姫(かやのひめ)が生まれています。
『古事記』の鹿屋野比売神(かやのひめがみ)と同一の神様です。

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天の岩戸神話に「野の神に茅で500個の玉串をつくらせた」とあります。







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すすきと古事記

古事記には、カヤノヒメノガミという神様がいます。
このカヤとはススキのことです。

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すすき
別名は尾花(おばな)、萱(かや)、茅(かや)、男茅(おとこがや)、
振袖草(ふりそでぐさ)、乱草(みだれぐさ)、露見草(つゆみぐさ)、旗薄(はなすすき)など


高天原に成られた神、そののち次々と神々が生まれます。

19番目に風の神が生まれ、20番目に木の神、

21番目に山の神、22番目に野の神が生まれた。

野の神は、名を鹿屋野比売神(カヤノヒメガミ)といい、

またの名を野椎神(のづちのかみ)という。




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すすき(芒・薄)
別名 カヤ、尾花、乱れ草、振袖草、露見草、旗薄など


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学名:Miscanthus sinensis                  秋の七草   
イネ科 多年草  花期:8~9月  原産:アジア東部


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          2017.10.30 日差しにキラキラ光っています。


花言葉  勢力
誕生花  
由来    すくすく育つ木等の説。
       尾花 ススキの花穂が獣の尾に似ているところかついた名。
       振袖草 風に揺れるススキは、振袖の乙女が招いているよう?


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すすきの葉は幅広く長大。縁は硬くざらついている。
日当たりの良い山野、丘陵、鉄道沿線など。

長い茎を(カヤともいう)刈り取って屋根をふいたり、ぞうり、すだれ、ほうきに用いた。

家畜の敷き草、飼料、燃料、花材、綿の代用など。人の生活に役に立ってきた。

野原や山の日当たりのよいところに群落を作り、穂波が銀色に輝いて美しい。
春は里から、秋は山からやってくる。

風になびく様子は頭をなでられているようです。
ススキの穂を見ると、秋の来たことを実感します

お月見にはススキを月神への依代として一本立てるのが正式。
この穂で作ったミミズクは東京雑司ヶ谷の鬼子母神のお土産として有名。

上代(奈良以前)は、ススキやアシなどを束ねて サヤサヤと鳴らして楽器のように使った。

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          2017.10.30 強風に翻る


万葉集には17首。古名:須々伎、尾花。
 
人皆は萩を秋という吾は 尾花が末し秋とは言わむ
  読み人知らず 第10巻2110

道の辺の尾花がしたの思い草 今さらに なぞ物か念はむ
            巻10 2270

はだすすき尾花逆葺き黒木もち 造れる室(むろ)は万代(よろづよ)までに
     太上天皇 巻8 1637  

初尾花花に見むとし天の川隔(へな)りけらし年の緒長く
            巻20 4308
(初尾花=新妻・許嫁)花を見たいのに 天の川が隔てているらしい、長い間

・秋の野おしなべたるおかしさは薄にこそあれ 枕草子


季語    秋
          幽霊の正体みたり枯れ尾花
          山は暮れて 野は黄昏の薄かな    蕪村
          折りとりてはらりとおもきすすきかな  飯田蛇笏
          枯れ枯れて光を放つ尾花かな      几 董

【伝説】
 光と影、善と悪、神と悪魔、天の神に反逆するものとして地上に送られた天の探女(さぐめ)は邪心をもつ女神で、俗にアマンジャクとも呼ばれる。探女は瓜子姫の幸運をうらやんで取って代わろうとし、もうすこしのところで露顕した。その後、人々は探女を大和の国宇陀(うだ)の野末に引きずっていき、手足をばらばらに引き裂いて捨てた。探女は塵になって飛び散り、世の中は静かになったが、このとき流れた血で一面に茂ったススキの根元は今でも色あせることがない。 (日本)

高野山 「刈萱童」の伝説。
 出家した茅葺道心を石堂丸は母と訪ねるが、女人禁制のため一人で登る。出会った僧と父子の名乗りが出来ぬまま、共に茅葺童で仏教修行に明け暮れた。


山手線の電窓からみえたススキの群生は東京に秋を知らせる風景でした
今はお洒落な街になりました。 また、ある日、JR山手線のある駅の改札近くで、ススキが大きなバケツに入れられていまいた。『自由にお持ちください』と張り紙がされていたので喜んでもらってかえりました。
 その駅はホームが増設され、ススキの生える場所はなくなりました。

シマススキ タカノハススキ イトススキ ハチジョウススキ

似ている: おぎ(荻)
ススキに寄生する花 ナンバンキセル

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スライドショー

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12月の華

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かれすすき(枯芒)
別名 冬芒 尾花枯る 枯尾花

芒って黄葉するの!?

ビビッドに撮ってみました。


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冬の日がさして白く輝き

思わぬ美しさに出会いました。



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【冬の季語】
          美しく芒の枯るる仔細かな   富安風生
          我も死して碑に辺せむ枯尾花 蕪村
          

 
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九月の華

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すすき(薄・芒・須々木)
別名 尾花(おばな)

池へとなびく尾花

小さな庭園の小さな池です
ボート遊びはできません
でも
軽鴨 鵜 白鷺がやってくることもあります
小さな野鳥もやってきます

小さな庭園の小さな池は 
私の憩いの場であり 発見の場です。




 
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